ワリカシ
書きます。えーと。…たぶん
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朝が来ない

 
12月。冬の真ん中。エアコンの壊れた部屋で凍える空気に震えて、毛布の中で丸くなる。暗い部屋の中でぼんやりと光るテレビの光。
「みゆ。寒くない?」
僕の問いにみゆきは答えない。振り向きすらしない。
彼女は僕の存在自体を認めようとしないかの如く頑なにテレビだけを見つめ
コントローラーを握りしめてブラウン管の向こうのゾンビを撃ち殺し続けてる。
テレビの光を反射するうつろな瞳。真冬の寒さに彼女の吐く息が白く凍る。

「ねぇ、みゆき?」

もう一度呼びかけて、反応がないのを確かめてから、僕はあきらめて布団の中に潜り込む。
僕のことを怒っているのだろうか。たぶんそうだ。そうであってほしいと願わずにはいられない。
彼女はいつだって、不機嫌で、無愛想で、感情を露わに示すことがない。
かつて僕は彼女を愛していた。彼女を理解できるのは自分だけだと自惚れていた。
今になってみればどうしてそんな妄想じみた思い込みを本気で信じることができたのか思い出すこともできない。
テレビの光に照らされたぼんやりと白く照らされたその顔は、まるで人形のようで、
一切の表情はうかがえない。

先日、別れを切り出した僕に、
彼女は「ああ、そう」とだけ答えた。
予想したとうり、大した反応もなく彼女はそれを受け入れた。
「すぐに出て行った方がいい?」
彼女の問いに僕は小さく首を振る。

彼女にはここ以外にどこにも行き場がないことを僕は知っていた。
彼女には親も、親戚も、友達も存在しない。行き場もなく捨て猫のようにさまよう彼女を僕は拾い、そして愛した。愛してると思い込んだ。

僕が死んだあと、彼女はどうするのだろうか?
彼女を連れて一緒に死ぬことを考えたのは一度や二度の話ではなかった、だけど僕にはもう自信と呼べるようなものが何も残ってなかった。僕が唯一すがったキチガイじみた愛情も結局は偽物で、そしてそれは僕にすべての諦めをつけさせるのに十分な理由だった。
僕がいなくてもたぶん彼女は生きていける。結局僕には何一つも確かなものなどありはしないのだ。

まどろみの中夢を見る。
みゆきがそのがらんどうな瞳で、じっと僕を見つめている。

夢の中で彼女は僕を責めはしない、夢の中で彼女は僕を許しもしない。

みゆきはただ僕を静かに見つめ続けるだけ。

「孝之は私が辛い時はいつだって私を助けようとするくせに、自分がつらい時は私には何もさせてくれないんだね」

僕は薄く笑う。なんてご都合主義な夢だ。



そっと僕の手を握るみゆきの掌は氷のように冷たい。
これはたぶん夢だ。現実がいったい何を示すのか僕にはもうよくわかりはしない。
僕はみゆきの胸に抱かれて、その薄くてごつごつとした胸で、ほんの少しだけ泣いた


JUGEMテーマ:小説/詩



お話 | permalink | comments(38) | trackbacks(0) | pookmark |

初恋の人からの手紙

 「みちくん、元気にしてる?
今でも彼女ができるたびに手鏡でスカートの中を覗いていますか
直接見るのでは満足できないみちくんをなつかしく思います。

束縛の激しいみちくんが重苦しくて、私が「もっと余裕がある人がいい」と宣告してお別れすることになったあの日から、もう14年が経ったのですね。月日が流れるのは早いものです。

お手紙を書いたのは、とくに用事があるわけではないんです。ただふと思い出して懐かしかったので、思いつくままに手紙に書こうと思いました。ふふ。驚いたかな?

あのころのことを思い返すと、幼稚な言い合いばかりが頭に浮かびます。みちくんはよく私に「友達とおれならどっちが大事?」とか聞いてきましたよね。私は そのたびに、もちろん気持ち的にはだいぶ引いたし冷めたけど、「それは比べられないよ」と答えていました。何が不満なのか、みちくんはそこで「友達を全部 捨てられるぐらいでなきゃ好きとは言えない!」と言っていたのが印象的です。あれでも別れなかった自分が今でも不思議に思います(笑)。

私はともかく、みちくんにとっては初恋でしたよね?最初のころのみちくんは「手つないでいい?」「キスしていい?」「髪の毛さわっていい?」とかいちいち 聞くので、少し気持ち悪かったイメージがあります。それで「おれ優しいだろ」とも言っていましたけどね。勘違いとは恐ろしいものです。

付き合ったばかりのラブラブだったころ、みちくんはいつも「おれと一生一緒にいてくれ」なんて言ってくれましたよね。もちろんそのときは引いたけど、嬉しい気持ちがあったのも覚えています。今思うと、まるで嘘だったわけですが

恋愛を総括して言えば、きっと私はみちくんと付き合うことができてよかったのだと思います。恋愛から得たものはあまりないけれど、みちくんと付き合えるのならば、今後どんな人とでも付き合えるはずですから。

いろいろ書きましたが、私はみちくんが大好きでした。これからもみちくんらしさを大切に、あと当時本気でやっていたパントマイムの練習は続けて(笑)、いつか幸せになってください。

またいつか会いましょう。では。

P.S. ゲーセン以外のデートコースを開拓しましたか?」






ものすごいムカつくんですが(心当たりがあるだけに)なんだこれ?
たしかに普通では満足しない変態ですが
キスしていいとは聞かないけど「髪さわっていい?」とは聞くけど
彼女の女友達に嫉妬したりするけど…(なんでわかるの?)

そもそもこんな厭味な手紙送ってくるような女の子なんか好きにならないよ!
ちくしょー。う、う、うんこー(相当悔しい)
まぁ普通 | permalink | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |

充電式の彼女(リテイク)




カタン。と音がして電源が落ちると、彼女の体はその機能のすべてを停止して倒れこんでしまう。
エノアは小さく息を吐き、読みかけの本を机に置いて立ち上がり、それから床に倒れこんでいるハナの体を整備用のベッドに運び込むために抱き上げる。
機 能を停止したハナの表情は、まるで眠っているかのように安らかで、そのその端正な顔立ちの上には苦悩も悲しみも見受けられない。彼女はただ単に眠っている だけで、今すぐ次の瞬間にも目を覚ましてくれるのではないかという気さえするけど、それがありえない希望に過ぎないことはエノアには理解できていた。
抱き上げたハナの体からは生命の温かみのかけらさえも感じることができない。
「生命…ね…」
エノアは自分の頭に浮かんだ単語の無意味さに自嘲する。
こんな風に頻繁に故障を繰り返すようになる前から彼女に生命が宿っていたことなどありはしない。彼女はただ、命があるようにふるまうべくプログラムされただけの存在だ。はじめから偽物の生命だ。
そして現在では彼女は嘘をつき続けることすら困難になってしまっている。ただそれだけの話だ。

根本的に彼女を修理する技術は失われて久しく、エノアにできるのは応急処置的な対処療法にすぎない。そう遠くない未来、彼女は完全その偽りの生命を停止してしまうだろう。
それはどうしたって避けようもない現実だ。
ベッドの上に横たえられた彼女の瞼は固く閉じられ、長く美しいまつ毛が窓から入ってきた風に静かにそよぐ。
エノアはハナの首を持ち上げ、うなじの部分にジョイントプラグを差し込む。
ブーンというかモーターの回転音が静寂が支配する空間に染み込んでいく。彼女にコードをつないでから、また椅子に腰掛け、エノアは読みかけだった本のページをめくる。


陽だまりの中で小鳥たちが楽しそうにさえずる声が聞こえている。
争いも憎しみも既に存在しない過去の遺物で、ただ世界には悲しみだけが取り残されている。エノアは時々この静かで穏やかな日々が永遠に続くのではないかと錯覚しそうになる。だけど、たぶん彼らに残された時間は彼が思うよりずっと少ないに違いないのだ。

ちょうど本を読み終わったころに、ベッドの上のハナは意識を取り戻した。

「おはよう ハナ、気分はどう?」

「エ…ノア?」

目覚めたハナは起き上がり、朦朧とした意識を追い出すように二、三度頭をふる

「私また、意識を?」

エノアが無言で首を縦に振ると、
彼女は小さくため息をつき、それから髪をかきあげうなじに刺さっているプラグを引きはずす


「あなたとは長い付き合いだったけど、このぶんじゃお別れもそうは遠くないみたいね」

深刻なエノアの態度を茶化すかのように、ハナは軽い冗談でも言うような雰囲気で笑ってみせる。

エノアはそれには答えずベッドに腰かけたままのハナの表情を凝視する


「ねぇハナ、君は死ぬのが怖いかい?」

エノアが質問すると、ハナは驚いたように瞳をパチクリさせる。 

「それは、どういう意味?」

「どういうってそのままの意味だけど…」

「私たちは最初から生きてないし、死ぬっていうのは適切な表現じゃないわ。それに…」

「それに?」

「私たちの感情は作られたまがい物だから、怖い。とか。悲しい。とか私にはよくわからない。」



「ハナ『コーギト・エルゴ・スム』ってわかる?」

「それは浅はかで稚拙な考え方だわ」

「作りものだから全部まがいもとだっていうなら、人間だって精密に作られた分子機械にすぎないよ。プラグラムしたのが神様か人間かって違いしかないじゃないか」

「その違いが大きいのじゃないのかしら?たぶんね」

エノアはハナのすべてを諦観仕切った態度に、腹立ちを覚える。
何かを言い返そうと思うけど何を言えばいいのかよくわからない。
なぜこんなにもハナの態度に憤りを感じるのかエノア自身理解できないでいた。

「もしかしたら全部偽物で、本当に意味あるものなんて存在しないのかもね」



黙り込んでしまったエノアに笑いかけながら、ハナはベッドがら立ち上がる


「確かなものなんて何もないわね」

言いながら窓の外を眺めるハナの横顔がどこかさびしげに映るのは
ただのエノアの願望にすぎないのだろうか。

二人は話す言葉を見失ってしまい、再び穏やかな沈黙が部屋に降りてくる。
外で強い風が吹いて鳥たちが一斉に飛び去る
ハナは左右に頭を振り風で乱れた髪を元に戻すとゆっくり窓を閉める。


「死ぬのはね。たぶん怖くない…」

呟くようにハナはくちづさむ

「仮に私に感情と呼べるものがあったとして、やっぱり私は壊れて動かなくなることがそんなに怖いとは思えない。私たちは人間よりはるかに長く活動できるけれど、永遠にそれが続くわけじゃない。それはたぶん自然なこと。だけど…」

ハナは自分の考えを整理しようとしてしばらく沈思する

「だけど私たちは、これからもう新しい誰かに出会うこともなく、誰かに何かを伝えることもなく、孤独に二人きり、消えてしまわないといけないかと思うと、ちょっとだけやり切れない気持ちになるの。たとえば私と君で人間たちのように子供を残せるんだったら何かが違うのかもしれない。とか考えたりするけど…」

それからハナはうつむいてしばらく考え込み、その後で小さく頭を振る

「でも、やっぱり私には、そういうのってよくわからないわ」

そう言って笑ってみせるハナがエノアにはなぜか泣いているかのように見えた。



カタンと音がしてエノアのスイッチが切れる。彼の体は椅子に座った体制のまま二、三度小さく痙攣してそれからぴくりとも動かなくなってしまう。テーブルを挟んだ向かい側ではハナが停止したエノアを見つめている。ひどく平坦で凍えきった瞳。彼女の皮膚の下の高度にプログラミングされた人工筋肉は、その表情の上に、何の感情も作り上げはしない。

「もう少しタイミングがずれていたらすべてを終わらせることができたのに」

ハナは考える。
二人同時に止まってしまえば、もう誰も二人を起こす者はいない。
そうすれば、この何の意味もなく繰り返される偽りの楽園を終わらせることができたはずだ。
すべて偽物で、意味なんかなくて。
いつか来る終わりは避けようがなくて。
どこにも辿りつけないことだってわかってるというのに、
歩み続けなきゃいけない理由なんてあるだろうか?

ハナは椅子から立ち上がり静かにエノアのもたれかかる椅子のそばに歩み寄る。彼女が歩くたびに古びたフロー−リングがギシギシと悲鳴のような音を立てる。
今なら彼女はすべてを終わらせることができる。
この静かで、平和な、地獄みたいな日々を。
ハナはうなだれるエノアの頬に手を当て、端正に整った顔を覗き込む

「君は人間のように私のことを恨んだりする?」

椅子によりかかり瞳を閉じたままのエノアは何も答えない

「死ぬのは怖くない」

小さくつぶやいて、ハナはエノアの唇にそっとキスをする。








鳥たちは遠くに飛んで行ってしまって久しく、ただ執拗に窓をたたき続ける風の音だけが室内にこだましている。
風の音にかき消されるなかで、囁くような小さなモーターの回転音。

風の音に、雨音が混じり、やがて再び雲の切れ間から太陽の光が伸びてくるころエノアはゆっくり目を覚ました。

「おはようエノア」

エノアのいまだピントの合いきらない視界の中でハナがもの憂げに微笑む。

「…おはようハナ」

エノアはぼやけた思考で自分の陥った状況を推察し、小さくため息をつく。それから少しだけバツが悪そうにはにかんで、自分のうなじに刺さっているジョイントプラグを抜き取った。

「ハナは僕が倒れたら、もう僕を起こしてくれないかと思ったよ」

エノアは冗談めかして笑ってみせる。
からからに乾ききった絶望に満ちた笑い声。

「どうしてそう思ったの?」

「わからない。ただ。何となくそう思った」

ハナはエノアの顔をじっと見つめる。平坦で感情を感じさせない凍えきった瞳

「わたしね。エノアに聞きたいことがあるの?」

「なに?」
                


  


「ねぇエノアは死ぬのが怖い?」










いつかカタンと音がして。

そうしてすべては終わってしまう。



 end

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初心に帰る

 最近。
僕はあまりに自分の欲望を去勢する事に慣れすぎてしまっているのじゃないかと思う。
多くを望まなければ失うものも少ない
希望をもたなければ、絶望だってしない
それが「持たざるもの」である僕に必要不可欠な処世術だった事を否定するつもりは無いし、
いまさらこの生き方を代えることなんて出来ない
そもそも代えるつもりも無い

だけれども
何も望まず、何も期待せず、生きていく意味って何なんでしょうね?

それは僕がこの現実で生きていくために選択した処世術ではあるのですが
そうまでして生きながらえる意味って何なのか。最近よく分からない。

泣きもしない、笑いもしない、怒りもしない。

それでも僕は生きていますか?
その生に意味はありますか?

僕はもう少しだけ、
ほんの少しだけ、
自分の欲望に素直になっても良いのかもしれない。

このまま見えない未来に怯えてすべての意味を消失していくぐらいなら
だめもとだってかまわないから
自分の欲望に忠実に行動すべきなのでは無いだろうか

もちろんそんな事が簡単に出来るくらいなら苦労はしないのだけどね
だけれども
たとえ僕の望む道が困難で、苦痛に満ちた結果が待っていたとしても

それでも僕はもうすこしだけ自分の欲望に忠実であろう
とそう思ったのです。





具体的に言うと

まぁメイドさんにフェラティオして欲しい(僕の欲望)って事ですよね。

おてぃんてぃんぺろぺろして欲しい。
ほら、おてぃんてぃんだけに、欲棒。

みたいな。みたいな。みたいな。


(また今日もうまいこと言ってしまいました。しのびねぇ。)

最低最低 | permalink | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |

近況

 愛。

だとかなんだとか
気持ちの悪いきれいごとを口にする人間に限って
誠実さのかけらも持ってなかったりするものです。
ソースは俺。

どうしてあの子だけではダメなんだろうか。自分でもよくわかりません。
何で別の子を抱きしめたいなんて思うんだろうか。最低です。
罪の意識はあるにはあるけど、行動の伴わない罪悪感にどれほどの意味があるんでしょうか。
そんなものは唾棄すべき自己弁護に過ぎないことは誰に指摘されるわけでもなく、自分自身が一番分かっているのです。
ごめんなさい。ごめんね。ごめん。
結局僕は自分が助かりたいだけなんですよね。
そのために誰かを傷つけたとしてもなんとも思いやしない。と。
そもそも僕如きの事であの子がほんとに傷つくいたりするんだろうかという疑いもあったりします。
僕は結局誰の事も信用していないから。
何百と愛の言葉を口にしても、覆す事が出来ない、それが現実で、僕はどうしたって自分の最低さから逃げ出す事が出来ない。
それだって全部言い訳に過ぎないのだけれども。



三人で一緒に暮らすようになって最初のうちは、あの子と彼女は喧嘩ばかりを繰り返し僕はハラハラしたもものだけど、最近は落ち着いてきたように思える。

もちろん二人ガ本当は何を考えているかなんて僕には分かりはしない。
それでも最近は表面上は平穏な日々だ。


この文章を読んだあなたが僕の事を最低だと罵ったとしても言い訳するつもりはありません。
だって自分でもそう思うし。
ほんと救いようがないと思う。

それでも
それでもですね

薄ら寒い、冬の夜に、彼女達が同時に僕の毛布の中にもぐりこんだりして、
その体温に幸せを感じてしまうのです。
どうしようもなく暖められてしまうのです。

僕は助かりたいだけなのです。それはそんなに悪い事なのでしょうか?

答えはたぶんYES



























つー訳で。二匹目のフェレットを買いました。名前はハル。おにゃの子です





(寒い夜、毛布に潜り込んでくる二人)
左のねむそーな方がエル君。右の生意気そうなのがハルです。





エル君 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

充電式の彼女2/3

彼女にコードをつないでから、また椅子に腰掛け、僕は読みかけだった本のページをめくる。窓の外では、陽だまりの中で小鳥たちが楽しそうにさえずる声が聞こえる。
争いも憎しみも既に存在しない過去の遺物で、ただ世界には悲しみだけが取り残されている。時々この静かで穏やかな日々が永遠に続くのではないかと錯覚しそうになるけど、たぶん僕たちに残された時間は僕が思うよりずっと少ないに違いないのだ。

ちょうど一冊本を読み終わったころに、彼女はゆっくりと意識を取り戻した

「おはよう ハナ、僕のことがわかるかい?」

「エ…ノア?」

「どうやらデータは大丈夫みいだね」
僕は少しだけ安堵する。データの消失は彼女の人格の消失と等しい。同じ顔、同じ体、でも中身だけは別人。それは人間の死よりもすっと残酷な状況に違いない

「私また、意識を?」

僕がゆっくり首を縦に振ると、
ハナは少し考えてから僕に尋ねる

「十四回目?」
「十五回」
「そう」
いいながら自分のくびに刺さったプラグを抜き取り大きく伸びをする


「ねぇハナ、君は死ぬのが怖いかい?」

「まさか、」

僕の質問に、くだらない冗談をいさめる調子でハナは答える

「まさか?」

「だって私達は生きてないもの。経験も、記憶もデータに過ぎないし、感情だってプログラミングされた電気的な信号に過ぎないのよ」

「それを言ったら人間だって精密に作られた分子機械にすぎないよ」

「じゃあ感情なんてもともと存在しないのかもね」

「ハナ、『我思う故に我あり』って知ってる?」

「自分の意思で考えてるんだってプログラミングで思わされてるんじゃなければね」

それからハナはゆっくりベッドがら立ち上がる



「確かなものなんて何もないわね」

言いながら窓の外を眺めるハナの横顔がどこかさびしげに映るのは
やっぱり僕の気のせいなのだろうか



振り返りハナは尋ねる

「私がいなくなったらあなたはさびしいの?」

「もちろん」
僕が答えると
ハナは理解できないといった感じで首をかしげる
「変なの」
お話 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

エル君

よくブログなのでペット自慢する人がいるけれども、あれってペットが可愛いとかいうアピールのふりして、だいたい「ペットをかわいがる自分」自慢だったりして気持ち悪い。
赤ちゃんとか見ると殊更に「わー可愛い」とか言っちゃたりして、子供好きアピールしちゃったりして、子供好きの私っていい人でしょ?アピールして、ソラゾラしい芝居なんかしちゃったりして、そうゆうのとペット好き自慢とはほとんど距離をたがわず、そういうのって嫌悪感を感じちゃうわけですが、わけですが、

しかしながら、

しかしながらですよ
うちのエル君のかわいさといったら、親ばかとか、思い込みとカそういう次元の話じゃなくて、あらゆる総体的評価を排除して絶対的に世界一可愛いし、
あらゆる因果律を超越して運命的にかわいいし
言葉にならない(小田かずまさ)くらいい可愛い。
鬼可愛い。
だからちょっと写真見て味噌

顔洗い
恥ずかしいからとらないでー。とかではなく顔洗ってるの。
か、可愛すぎ。は、鼻血が…。
だ、誰か槍を、槍を持てー(錯乱)

すりっぱ
今日もスリッパをめちゃくちゃにする仕事が始まるお…


洗濯物
今日も洗濯物をめちゃくちゃにする仕事が始まる…

寝像

し、死んでる!?(謎のダイイングポーズ)


え?ペット自慢のふりした「動物好きのいいひとアピール」してる感じががうざい?
なんで君たちはそういうひねくれた見方しかできませんか?
そんな思考回路で生きてて疲れないの?馬鹿なの?死ぬの?
もっとさぁ素直に物事を受け止めたほうがいいと思うよ。ほんと

というわけで
皆様方納得いただけただろうけど
かようにうちのエル君はかわいらしく、それ以上にペットをかわいがる僕自身もかわいらしい。
結論。僕自身がいい人で可愛らしい。
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充電式の彼女1/3

カタンと音がして彼女はゆっくりと機能を停止して、そのまま床に倒れこんでしまう。
「ああ、またか」
僕は小さくため息をつきイスから立ち上がる。
僕はゆっくりと倒れ込んだ彼女のそばに立ちより、彼女を抱きかかえ、設備の前のベッドの上に運びあげる。
彼女が急に機能を停止するようになって、いったいこれで何度目になるのだろうか。
最初はひどくあわてて、どういう対処をするべきかひどく狼狽したものだが、今となってはこうして処置を施すのももう、すっかり慣れっこになってしまった。
もちろん根本的に彼女を修理する技術は失われて久しく、僕にできるのは応急処置的な対処療法にすぎない。
そう遠くない未来、彼女か完全に機能を停止してしまうだろう。
それがどうしたって避けようもない現実だ。
ベッドの上に眠る彼女の瞼は固く閉じられ、長く美しいまつ毛が窓から入ってきた風に静かにそよぐ。
僕は彼女の首を持ち上げ、うなじの部分にジョイントプラグを差し込む。
ブーンというかモーターの回転音が静寂が支配する空間に染み込んでいく
お話 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

夜の眷属

僕は暗い夜の闇の中にのみ生きている。
陽の光は嫌いだ。
僕の部屋のカーテンは昼間開かれることは決してなく常に日の光を遮断し続ける。
多くの人々が太陽の光の下で生命を謳歌している間、僕はは閉め切ったまっくらな狭い部屋でうずくまり死体のように動かず、ただただ、暗闇がやってきてくるのを待ち焦がれている。
すべての人々がねむりに落ちる時間になって、月明かりの下、僕はようやく、ほんの少しだけ息を吹き返すのだ。
暗闇が支配する夜が、どうしてこんなにも僕を落ち着かせるのか自分でもよくわからない、陽の光が、太陽の昇る朝が、どうしてこんなにも恐ろしいのか、自分自身よく理解できない。
きっと僕は夜の眷属で、だから光の下で生きている君とは分かり合えるはずもないのだ。根本的に君と僕は違いすぎる。
そんなのわかりきってるはずなのに…

僕の横で、君はちっとも面白くない深夜の通販番組を眺めてる。あくびをかみ殺して僕の夜更かしに付き合ってくれる君の存在がときどき、僕を不愉快な気分にさせる。

「無理して付き合ってくれなくてもいーよ」

「うん」

「明日も仕事でしょ。寝たほうがいいって」

「うん」

たいして興味もない通販番組を眺めながら、君は生返事を繰り返す

「別に起きててほしいなんて、僕は頼んでないよ」

イラついて、きつくなった口調。いってから後悔する。
だけど君は全然気にしたふうもなくて、

「うん。じゃあもう少しだけ。ダメ?迷惑?」

「べ、べつに迷惑じゃないけど」



なんて


君はどうしてそうなんだろう。僕はどうしてこんななんだろう。
君が僕のために、僕が孤独に飲み込まれないように、無理をして起きてくれてるのなんてわかりきっているのに。
いつだって僕は、ありがとうも、ごめんなさいも、素直に言えたためしなんてなくて、それなのに君はいつだって優しくて。
僕は君と居ると自分のダメさ加減に嫌気がさして惨めな気持ちになってしまう

君と僕とはあまりに違いすぎる

夜に生きる僕と、昼の世界の君が理解しあう日なんてくるはずもない
いつか僕たちはうまくいかなくなるに決まっている
いつか君は僕に愛想を尽かす

それがわかってて、それでも僕はきっと変わる事なんて出来やしない

だってしょうがないよ、僕は暗闇の眷属だから。


陽の光なんて嫌い、
君の事なんて嫌い
誰かに傷つけられるのが怖い
独りぼっちになるのはもっと怖い
薄暗い部屋でうずくまってるだけの
矛盾した自分自身が一番嫌い

これは罰なんだってわかってる
全部自業自得なんだってわかってる

全部全部全部全部だいっきらい














「大丈夫だよ」


そう言って君はぐずる僕を慰める。
それは何一つ根拠のない薄っぺらで無責任な言葉だ。
うそつきの言葉だ。
僕の苦しみなんて何も知らないくせに何でそんなことがいえるのだろうか。
なにも大丈夫なんかじゃない。君にはわからない。こんなにも辛くて苦しいのに何が大丈夫だっていうのか。
「大丈夫だよ」
「大丈夫じゃない」
「大丈夫だって」
「違うもん」
君は無理やり僕を抱きしめて、僕は君の腕の中で必死に抵抗する
「大丈夫だから。平気だよ」
君は馬鹿みたいに無意味な同じ言葉ばかりを繰り返す

「何もわかってないくせに、何がどう大丈夫なの?」
「だって…」
「だって?」
「だって俺は君が好きだもの」
予想外の君の言葉に僕は抵抗するのも忘れて一瞬、言葉を失う
「な…、…そ、そそそ、それは関係なくない?」
「俺は君のことが好きだからずっと一緒にいるし、どんな時も君を守る。だから大丈夫」
言いながら彼は僕を抱きしめる手にぎゅっる力を込めた。
それだって何の根拠もない、その場しのぎの慰めにすぎないじゃないか。と僕は思う。
なのに根拠のない詐欺めいた彼の詭弁に、どうしてだかほんの少し安心してしまう。自分の頭のおめでたさを、少しだけ恨めしく思う。






「ねぇ」


彼の胸に顔をうずめたまま僕は彼に呼びかける

「なに」

「めんどくさくてごめんね」
呟くように僕が言うと彼は笑って、子供をあやすみたいに僕の頭をやさしく、くしゃくしゃとなでてくれた。

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ナンダカンダ

なんだかんだ言って更新頻度あがってませんぬ。(仕様です)

週末にはおはなし2個ぐらい上げる予定です
えーちなみに先日、メタルギアがやりたくてPS3買いました。うん。だから何とかはないんですが。週末にはおはなし2個ぐらい上げる予定です(予定です)

昔書いた日記発掘したらおもしろかったので(たぶん俺だけですが)さらし上げ。

http://ip.tosp.co.jp/Kj/Tospi200.asp?I=akisima2&P=0&Kubun=V5


■[07/29]
Delete
こんにちは。

モーニング娘改め、Jポークです。
SB* 2004/07/31(土)14:02

とかがおもしろかったです。え?別に面白くない?俺だけ?
そうゆうのわりとよくあります


まぁ普通 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |